小さな散歩道

絹の道資料館 (八王子市鑓水)

絹の道資料館
小泉家屋敷跡
永泉寺

大塚山公園にある絹の道の道標  八王子ではかつて織物や養蚕業が盛んで、桑の都という別称もあるほどだ。絹の道は横浜が安政6年(1859年)に開港し、 明治中頃に横浜鉄道(今の横浜線)が開通するまで、八王子や信州の輸出用生糸が多数運ばれたルートのひとつ。 絹の道碑から御殿橋のたもとまでの約1.5キロが「絹の道」として市の史跡に指定されている。 資料館には休憩所もあり「絹の道」散策後、是非立ち寄ってほしい。
 八王子駅南口からバス、坂上または北野台3丁目で下車。看板などはないが、すぐ近くにある高台に登ると大塚山公園に着く。 入口には「絹の道碑」があり、園内にはかつて旅人や村内の安全を祈る道了尊をまつったお堂跡があった。 この日は晴れていたので、八王子市内から奥多摩の山々、西武ドームまで一望できた。
 ここから絹の道を下っていく。この辺りの未舗装部分1kmは昔の面影が色濃く残っていて、文化庁選定「歴史の道百選」にも選ばれている。 周囲は人家もまばらでのんびりしたムードだが、道はでこぼこな坂道なので、歩きやすい服装で訪れたい。
 道が舗装部分に入ると絹の道資料館が見えてくる。平成2年に開館した資料館は鑓水の生糸商人・八木下要右衛門の屋敷跡に建てられており、 木造の門や入母屋屋根、石垣などが、かつての姿を思わせる趣のあるつくりだ。 館内には絹の道と生糸商人の関係や、製糸、養蚕に関するパネルや資料が展示されている。休憩所もあり飲食も可能だ。
絹の道  資料館から歩いて15分ほどには都の指定文化財である茅葺農家・小泉家屋敷(個人の住居担っているので敷地内へは立ち入れない)や、永泉寺がある。 この寺の本堂は八木下要右衛門邸を移築したものという。イチョウの木が見事な諏訪神社には生糸商人の寄進した石灯篭が建ち、社殿は市指定の文化財だ。
 帰りは御殿橋近くの絹の道入口から橋本・南大沢駅行きのバスが出ている。

■絹の道資料館  八王子市鑓水989-2 TEL:042-676-4064
開館/3月〜10月:9:00〜17:00、11月〜2月:9:00〜16:30
休館日/月曜(祝日の場合は開館し、翌火曜休館)
料金/無料

(2011年3月掲載)  地図


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