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武田信玄の娘・松姫(1560-1616年)の墓がある信松院に行った。
JR西八王子駅南口から徒歩12分。寺の入口の旅姿の松姫の像(高さ1メートル30センチ位の大きさ)が目印。墓所は同寺の墓地の中ほどにあり、玉垣で築かれ、屋根には四つ割菱(武田菱)の家紋が光っていた。同墓には、戦乱の世を強く生き抜ぬいた女性として、ファンが多く、より幸せを願う女性の参詣が絶えないという。
松姫は武田信玄の四女(六女ともいわれている)で、7歳の時に、織田信長の長男・信忠(当時11歳)と婚約する。だが三方ヶ原の戦いで両家は交戦状態になり婚約は解消。信玄が病死し、織田勢の武田攻めが強まり、松姫は幼い姪3人をつれて八王子に逃れた。身を寄せた八王子城主・北条氏照も滅亡。松姫は恩方の心源院で出家し信松尼となり、台町の草庵で姪たちだけでなく、近隣の子ども達にも手習いを教え、里人には織物の技を伝えた。この織物が後世、八王子織物として発展したといわれている。
帰りは八王子駅まで歩いた。途中、八王子市郷土資料館に寄り、同資料館のガイドボランティア紙芝居会の「松姫ものがたり」実演会に参加。故菊池正作の同名の童話を題材に、メンバーの大島友次さんが絵を描いた。市民たちからは「地元にゆかりの松姫様のことがよく分かった」と好評を得ている。次回の実演は2月20日14時から同資料館で行なう。
■問合せ
信松寺/八王子市台町3-18-28 TEL 042-622-6978
八王子市郷土資料館/TEL 042-622-8939
(2010年2月掲載) 地図
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