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京王線長沼駅から南に徒歩5分。こんな近いところに高低さ100メートルもある自然公園があるというので行った。丘陵地帯の北斜面30万平方メートル。谷戸と尾根が入り組んでいるので散策のルートはいくつもあるがメインの霧降の道から登った。道は石畳になっていて整備されているがかなりの坂道。だが右手の沢から吹く風、コナラ、クヌギなどの雑木林の間から吹く風はさわやかで涼しい。
登りきると道路に突当った。多摩丘陵の尾根をめぐる野猿峠ハイキングコースだ。左に行くと公園で一番高い(標高190メートル)所・展望園地に出た。あずまやがあり、そこから北を見ると八王子市、日野市街その中を走る中央線、京王線の電車が見えた。遠くには奥多摩の山々も。さらに左に進むと南側が開け、眼下は南陽台の住宅街だ。ベンチで一休みしていた男性は週3日は公園を一周するという。「南陽台の自宅から自宅まで丁度800歩弱。この公園は起伏があるから歩いていても面白い。その上いい柔軟体操になるようで肩こりも無くなるよ」と教えてくれた。
戻って野猿峠ハイキングコースを西に行くと頂上園地の広場に出た。テーブルがあり、お弁当を広げている女性グループのにぎやかな声がした。
さらに進むと家の外で竹串をつくっている人がいた。野鳥囲炉裏料理「鎌田鳥山」の主人だった。「峠の小さな美術館」を訪ねるとすぐ向かいにあるという。「私も峠の会の会員。ゆっくり見て行って」と案内してくれた。「鎌田鳥山」の離れだったところに、絵画の同好会「峠の会」(代表・神野叙一さん)の常設ギャラリーとしで、2006年に開設した。雑木林の中にあり、外の木にも数点、室内には30点ほどの絵が展示してあった。水彩、油彩、日本画と多彩。雑木林の景色が額縁になって絵を引き立てているように見えた。
ギャラリーは午前10時から午後4時まで(火曜休み。12月から3月は閉じる)で、約40人の会員(主に八王子、日野、多摩市)が順番で常駐している。散策に来た人と囲炉裏端で絵の話、山の話に花が咲くことも多いという。「公園はこれからヤマユリが見ごろですね。ギャラリーの中は夏は涼しいですから散策帰りに是非お寄り下さい」(神野代表)。
殿ヶ谷の道を通って降りるとと絹ヶ丘住宅街の脇に。ここからは景色が変わり、北側はなだらかな草原だ。子供たちが歓声を上げて草スキーをしていた。真新しい木道を通って長沼駅に着いた。
公園内には売店も自動販売機もないので、弁当、水筒を忘れないように。
■長沼公園/TEL 042-375-1240 (桜ケ丘公園サービスセンター)
■峠の小さな美術館/TEL 042-676-4576 (鎌田鳥山内)。
(09年7月掲載) 地図
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