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南武線矢川駅から矢川通り、甲州街道を立川方面に歩くと、南の方に延びる新しい道があった。その道をしばらく行くと「ママ下橋」と書かれた橋があり、そのたもとの道を下へ降りると、小川が流れていた。
流れに沿って上流に向かう。水は澄んで冷たそうだ。水底から水草も生えており、今は姿が見えないが、小魚やザリガニ、シジミ、タニシなどの生物がいるかも知れない。そう思ってのぞき込むと、カワニナらしき巻貝が見えた。カワニナがいれば、それを餌にするホタルがいても不思議はないように思えた。
小川にかかる真新しい木の橋があって、そのたもとに「青柳段丘とママ下湧水」との案内板が立っている。それによると、このあたりは高さ8メートル前後の段丘崖(だんきゅうがい)が連なっており、この地方で、がけのことを「まま」とも呼ぶことから、そこからわき出る地下水を「ママ下湧水」と呼んでいるのだそうだ。昭和初期まではわさび田も見られたという。
さらに上流に進むと、がけ下を竹の垣根で囲って保護している場所があった。垣根の向こうのがけには、丸石が石垣のように積まれており、その下からこんこんと水がわき出している。傍らに、石碑があって、そこにはめ込まれた金属板に「上(かみ)のママ下」と書かれていた。この場所が湧水の最上流であることを示しているものと思えた。
(08年10月掲載) 地図
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