小便小僧の像 日野市豊田4丁目
中央線豊田駅から商店街、住宅街を歩いて5分足らず、放射状の道路が5本集まる5差路に出た。中央部には直径10メートルほどの、金網で囲まれたロータリーがある。金網の中は小規模ながら、円形の池だ。
池の真ん中に、丸い筒状の柱が立っており、てっぺんに小さなブロンズ像が据えられていた。高さ50センチほどの子どもの像は、腰をややくねらせ、左手を添えて突き出した部分からは、細い一本の水がほとばしり出て池に注いでいる。まぎれもない小便小僧だ。柱の根本には何本かの小さな噴水があり、池の中には大きな鯉も、たくさん泳いでいた。ロータリーは、住民のオアシスなのだろう。
小便小僧というと、JR浜松駅のホームのものが有名で、そちらは服を着せられたり、帽子をかぶせられたりしている。でもこちらのは、生まれたままの姿。池の真ん中にあるため、簡単に近づけないせいもあるだろうが、服らしいものは一切付けていない。それだけに、かえって自然で、ほほえましい。
それにしても、どうして住宅街のど真ん中に、小便小僧の像が?。そう思って見回したらロータリーの一角に、コンクリート製の細い石柱が立っており、「東京オリンピック大会記念」と彫られていた。どうやら四十数年前に、東京を舞台に開催されたオリンピックを記念して、制作されたもののようだった。
(2007年3月掲載) 地図