しごと日記Q&A編

  配達に慣れてくるとミスは減るものですか?
(2021年2月号掲載)

  今年は2月2日が季節の分かれ目、節分でした。2月2日が節分になったのは、じつに124年ぶりのことだそうで、翌3日が立春、暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続きます。2月の和名『如月(きさらぎ)』は『衣更着』が由来とも言われ、寒さのために衣を更に重ねるという意味もあるようです。

  さて、去年の春に入社した新人君や新聞奨学生たちも、もうすぐ一年。暑さ寒さも一通り経験して、随分たくましい顔つきになりました。

  通常、入社して配達に慣れてくると、配達漏れや雨濡れなどのミスはだんだんと減ってきます。ところが、なかには配達漏れがなかなか減らない新人君がいます。よくよく問い質してみると、自分のやりやすいように配達順路(ルート)を変えて配っているようです。新聞配達は、読者名や新聞の銘柄などが記された『順路帳』という帳面に書かれた順にしたがって配達するという決まりごとがあります。これは、事故や急病のために配達途中でピンチヒッターが登場することになったり、雪や台風などの悪天時にすぐにヘルプに入ったりできるようにするためです。

 「違う順番で配ったほうがもっと早く終われるんじゃないか?」なんて考える余裕が出てきて、実際、自分で試してみたりします。効率よく配達したいという気持ちからでしょうが、結果的に頭の中で混乱してしまって、失敗の原因になってしまうようです。
  自己流といえば聞こえもいいのですが、でたらめな順番で配っていると、いざというときに助っ人が手伝いたくても手伝えないという事態に陥ります。
  先輩たちに注意されても、なかなかぴんと来ない新人君もいますが、まもなく入社してくる後輩君たちに今度は自分で教える番がやってきます。

  もうすぐ春です。

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