しごと日記Q&A編

  配達中の困ったエピソードを教えてください。
(2020年11月号掲載)

  秋が深まるこの時期、新米や新ジャガなど『収穫の秋』を連想させる言葉を耳にする機会が増えますが、来週7日は立冬、暦の上では一足先に冬の訪れとなります。
  以前このコーナーでも紹介しましたが、ASAスタッフはユニフォームの冬用ジャンパーのことを「ASA(アサ)ジャン」と呼んでいます。春に入社した新人君たちは、今季初めて支給されたASAジャンに腕を通してみて、その暖かさに感激しています。

  さて、その新人君は大の犬好きらしく、夕刊配達中に近所の方が犬の散歩をしているのを見かけたり、集金時に玄関口で室内犬に駆けよられたりすると、ASAに戻ってきてからうれしそうに話しています。室内犬を飼っている先輩スタッフの家にもよく遊びに行っているようで、先輩そっちのけで犬とばかり遊んでいると、皆にからかわれています。

 そんな話を聞いていたベテランスタッフが、まだ上京する前、地方の販売店で新聞配達をしていたころの話をしてくれました。
  「担当していたあるお宅では、門を入ると広い敷地を横断するように地面に沿ってワイヤーが張ってあって、そこに番犬としてドーベルマンが繋がれていた。玄関先に取り付けられたポストはワイヤーの向こう側。そのポストに新聞を届けるためにワイヤーを跨ごうとすると、ワイヤー伝いにドーベルマンが吠えながら駆けてくる。まるで飛びかかってきそうな勢いで、一瞬、動物園のライオンが生の鶏肉にかぶりつくシーンが脳裏に浮かびワイヤーの手前で思わず立ちすくんでしまう。
  小石やドングリを反対方向に放り投げて、番犬がそちらに気を取られている隙に何とかポストまでたどり着く。もちろん帰りも同じ要領だよ。毎日この繰り返しで、まあ、今までであのお宅より必死に新聞配達した経験はないなあ」。
  そう語るベテランスタッフは今でも犬は苦手だということです。

  犬も人も、まもなく寒い季節がやってきます。相変わらずマスクの手放せない日々が続きますが、皆様くれぐれもお体には気を付けてください。

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