しごと日記 Q&A編

 雪が降ったときの配達は、いつもとどんなことが違ってくるんですか?
(2009年1月号掲載)

  雪でも配達は当然あり、バイクのタイヤに金属チェーンをします。 数年前に禁止になったスパイクタイヤの変わりにスタッドレスタイヤを使うこともありますが、 完全に雪になったら、金属チェーンをするしかありません。
 チェーンをするといっても、つけたことのない社員には勝手がわからないので、ベテランの社員が1人5〜10台分のチェーンをつけます。 全部のバイクにチェーンをするだけで30分以上かかってしまい、配達前にすでにクタクタです。
 出発しても、スピードが10〜20km位までしか出せません。遅い速度で雪のある場所を選んで走らないとチェーンが切れてしまうからです。 初めて経験する新入社員は、わからずに、いつもと同じ速度で走ってしまい、チェーンが切れてしまうことが度々あります。 手が凍るほど冷たくなっていて指先がうまく動かないので、チェーンのズレを直すのも一苦労です。
  一度にバイクに積む新聞の量も普段より減らさなければなりません。重さですべって運転にならず、 6回往復してやっと配達が終わるという感じです。スピードが出せないのと相まって、いつもより大幅に時間がかかってしまいます。
  運転方法も普段と違います。雪が積もっている時は、カーブを普通に曲がって走っていると、 バイクの前輪と車体のすき間に雪が詰まってしまい、タイヤが回転しなくなってしまいます。 そうならないように、カーブでも直角に曲がりながら運転しないといけません。 また、雪のある場所を選んで走るので、道路の真ん中付近を走るようになるため、いつもと目線が変わり、ポストを見落とす可能性が多くなります。
 一番怖いのは積もった雪で路面が凍っている時です。いつもはブレーキをかける場所でも、できるだけかけないで徐行運転をします。 慣れていても、下り坂はすべってしまい、とても怖いです。
 このように、色んなことを注意しなければいけませんが、結局、普段その地域をどれだけ走り慣れているかが重要になってきます。 雪が積もって路面が見えなくても、感覚で「ここは危ない」などということがわかるようになるからです。まさに『経験に勝るものなし』です。

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