小さな散歩道

洗足池公園(大田区南千束2丁目)


木製の三連太鼓橋の池月橋

千束八幡神社

名馬「池月」の像

勝海舟夫妻の墓

遊具や砂場、ブランコがある桜広場


洗足池全景

  東急池上線の洗足駅下車。中原街道を渡ってすぐ。洗足風致協会事務所の1階は休憩所になっていて、洗足池公園の野鳥写真展をやっていた。外の螺旋階段を登って屋上から池全体を眺める。訪問した日は天候に恵まれた日曜日とあって、多くの人で賑わい湖面では真っ白なスワン型の貸ボートが湖面を動き回っていた。

 公園の面積約7万7000平方メートル。池の周り(1周約1.2km)を歩くと約20分かかる。
  先ほどの休憩所から時計回りに1周する。池の周辺は桜の名所で知られるが、葉が赤茶色に紅葉しているのも風情があって花よりも好きだという人の気持ちもわかる。真っ赤な紅葉の葉とのコントラストを楽しみながら散策する。

 三連の太鼓の形をした池月橋を渡ると、千束八幡神社。この池は武蔵野台地の湧水をせき止めて作った池で、かつては「千束郷の大池」と呼ばれ、灌漑用水としても使われていたそうだ。「洗足池」と呼ばれるようになったのは日蓮上人が病気療養のため常陸の国に転地する途中に立ち寄り、池で足を洗ったところから「洗足池」というようになったそうだ。

 同神社の近くに伝説の名馬「池月」の銅像があった。「池月」とは源頼朝の愛馬の名前で、1184年、宇治川の闘いの先陣争いで一番乗りを果たした名馬だそうだ。

 柵のついた木道では水生植物を間近で見ることができる。頭がこげ茶色のカイツブリが水中の餌を食べている姿があった。水生植物園にかかる八つ橋を渡ると、ここの地を愛した勝海舟夫妻の墓と、その勝海舟が西郷隆盛の死を惜しんで建立した留魂詩碑があり黙礼する。

 子ども用の遊具がある桜広場には小さな子どもを連れたファミリーがいっぱい遊んでいた。日蓮上人が袈裟を掛けた松(三代目)がある妙福寺を参拝して、帰路についた。

 都内屈指の広い池であるこの洗足池が、いつまでも保存されることを祈る。

(2023年12月掲載)  地図


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