小さな散歩道

鵜の木松山公園 (大田区鵜の木1丁目)


横穴墓の中の様子
横穴墓入り口

 東急多摩川線鵜の木駅から徒歩5分。
  駅のホームから北東方面を見ると、同公園の松林が見える。取材の日は、東日本を襲った大雪が残るも好天。
  公園は高台にあり、広さは約2,350坪。2007年、松林のある広場(地元では松山と呼んでいた)を公園として整備し、北側の丘陵にあった和風の鵜の木公園と合体し、鵜の木松山公園としてスタートした。
  同公園は横穴墓が発掘当時のままの形で保存展示されていることで知られる。松山を整備していた時、その一角から発掘されたもので、古墳時代末期から奈良時代にかけての有力者の墓だった。現在、大田区の埋蔵文化財として保存され、入り口は透明な樹脂で塞がれてはいるが、横穴墓の中は照明で照らされているからよく見える。
  多摩川流域の横穴墓は、古墳時代から奈良時代にかけて、台地斜面に横穴を掘って造られた。大田区周辺の台地斜面では、約260基の横穴墓が発見されている。
  高台の広場に立ち、鵜の木駅周辺、武蔵小杉のビルを眺めながら、古代の暮らしを想像するのもおもしろい。

北側は旧鵜の木公園

 松林を通り抜けた先に旧鵜の木公園への連絡路がある。階段を降りて行くと、大きな井戸、藤棚などがあり、南側の松林のある広場とは違った風情のあるエリアだ。夏には人工の小さな滝が流れて、子供たちの遊び場になる。近くの鵜の木八幡神社に寄り、1年の無病息災を祈願して帰った。

(2013年2月掲載)  地図


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