小さな散歩道

大田区立郷土博物館 (大田区南馬込5丁目)

 2年前に開館30周年を記念して常設展示をリニューアルした大田区立郷土博物館を訪問した。
縄文時代の貝塚 1階は刊行物販売コーナー、2階と3階が展示室で、各階2テーマに取り組んでいる。
  2階の「地中の歴史とモース」ではアメリカのモース博士が発見・発掘した大森貝塚の紹介。同区内で出土した木器、土器、石器、埴輪などの遺物や、遺跡発掘の様子が模型で一目で分かるように展示している。
2F「厳正寺水止舞」の実物大人形と幅7mの六郷トンビ凧  同じ2階のもうひとつの展示は「水をめぐるふるさとの暮らし」。六郷用水の歴史と現状を取り上げている。川から水を上げるポンプの技術がない江戸時代に、低地平野部の六郷領の田にどうやって水を引いたかをテーマに展示。農業にまつわる祭り「厳正寺水止舞(ごんしょうじみずどめのまい)」の実物大の人形や幅7メートルと大きい六郷トンビ凧が天井に飾ってある。

昔の道具より染めたストローで装飾した小箱わら細工 虎

3F「馬込文士村」  3階の「昔の道具・海苔養殖・大田のモノづくり・戦争と暮らし」の展示では、大森麦わら細工、大田区の主要な産業であった海苔養殖をはじめ、区内の職人によるモノ作りや昭和の生活用具などを展示。中でも麦わら細工の精巧さには驚く。
  3階のもう一つの展示「馬込文士村」では、大正末期から昭和初期にかけて馬込に住んだ尾崎士郎、宇野千代ら40人以上の文士たちの作品や自筆原稿、遺品などを展示。馬込が文化の町だったことが感じられる。
湯殿神社の狛犬  博物館の入口には明治末から昭和にかけて、大田区の特産だった「半白キュウリ」の苗をコンテナで栽培していた。白いキュウリを見ることができる。帰りの道沿いの湯殿神社に参拝した。狛犬の右側の阿像は1767年の寄進で、母に戯れる子どもの顔がおもしろい。

■大田区立郷土博物館 大田区南馬込5-11-13
開館時間/9:00〜17:00
休館日/月曜、12月29日〜1月3日、 臨時休館日(消毒期間、特別展前後)あり
入館料/無料
問合せ/TEL:13-3777-1070

(2011年7月掲載)  地図


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