続・しごと日記
13回掲載した「しごと日記」に続き、「続・しごと日記」を連載します。自分の仕事を覚えるのに精いっぱいで、要領がわからずに販売店内を右往左往している新入社員、名付けて「新人君」が見た新聞販売店をご紹介していきます。
[1] 上京 (2008年8月号掲載)
心配する両親を説き伏せて、ついに夢の上京を果たした新人たちが入社してきました。このコーナーを読んでいる方の中にも、就職や進学などで、一人暮らしを始めるお子さんを送り出されたご家庭もあるかと思います。
「一人暮らしなんか大丈夫だろうか……」という“親の心子知らず”です。
引っ越しの手伝いで、うん十年前、自分達の頃とはずいぶん違うな……とお感じになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。新聞販売店にも、そういう時代の変化が訪れています。今や、財産はトランクとギターだけ……なんていう世界はなく、新卒・中途採用にかかわらず、はるか昔の言葉で言えば、テレビ・冷蔵庫・洗濯機のいわゆる“三種の神器”を携えて上京してくる若者が大半です。
かつては、先輩のお下がりや引っ越しで出た処分品を譲ってもらう、ということもあったのですが、そういう生活は、平成の若者たちにしてみれば、「ありえな〜い」ということになるのでしょう。そんな新人くんの日記をのぞいてみましょう。
○月×日
何はともあれ、無事東京に着いた。
面接が終わって、自分の新しい生活の場であるアパート(社宅)に案内された。
アパートは、店(ASA)から歩いて5分程のところに用意されていた。事前に送っていた荷物は、もう部屋に届いている。
「荷物を解いて、整理して・・・」と、荷解きを始めた僕の背中に、店長が声をかける。
「荷物の整理が終わったら、販売店に顔を出してね」
「あっ はい!」
新聞屋さん生活の始まりです。
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