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多摩都市モノレールの高松駅を降り、「高松駅北」の信号から右手に伸びる細い道をしばらく進み、「熊野神社前」という信号を右折すると、大通りに面した熊野神社に着いた。
本殿 →
立川熊野神社は、享保11(1726)年、柴崎新田の鎮守として創建された。創建の地は、現在の高松駅の西側の辺りだったという。その後、戦災により焼失し、駐留軍によって境内地も接収されたため、昭和23(1948)年にこの地へ移転したそうだ。
鳥居手前の狛犬にあいさつをして境内に入ると、参道左手には趣きある手水舎があり、境内の木々も色とりどりに紅葉している。参道脇には風情を感じさせる灯篭も建っており、なかなかいい雰囲気の境内だ。また、傍らでは晴れ着姿で七五三に訪れ写真に納まる家族連れの姿もあった。
第二の鳥居
参道をさらに進むと、二の鳥居があった。この古びた木製の扁額が掛かった鳥居をくぐると、参道両脇には「遷宮記念碑」などの石碑が建ち並んでいた。そして左手には、緑の中を流れる小川、「せせらぎ熊野川」が造られているが、残念ながらこの日は水は流れていなかった。
参道の先の社殿は、周囲の緑と調和のとれた落ち着いた造りとなっている。一見、普通の社殿のようだが、よく見ると、この木製の社殿には上部の柱や屋根扉にまでとても細やかな彫刻が施されていて、思わず目を見張ってしまった。
また、社殿手前には「ハガキの木」が伸びている。この木は、タラヨウモチノキの常緑樹で、この葉の裏に爪楊枝などで字を書くと、次第に黒く文字が現れてくるという。言い伝えでは、かつてはハガキの代わりに使われたのだそうだ。案内板の写真を見ると、確かに文字がくっきりと浮き出ていた。
その傍らには、多くの絵馬がかけられていた。
来年こそは、平穏な年になってほしいものだ。
神社の左隣は、高松第二公園になっている。こちらには滑り台や支柱がアーチ状になっているブランコ、持ち手が複雑な形をしたうんていなどの遊具が置かれていた。この日は、少年たちが暗くなるまでキャッチボールを楽しんでいた。
(2020年12月掲載) 地図
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