小さな散歩道

馬場坂下の上にある公園  (立川市富士見町5丁目)

 
(左) 公園   (右)  公園の西側は高くなっていて大きな木が日陰を作っている


カラフルな動物像たち


砂場の壁面にクラゲやトビウオの絵が

りく橋

 多摩モノレールの柴崎体育館駅から奥多摩街道を西へ進み、中央線を「りくばし」で渡る。渡った先をすぐ左折すると、通称・馬場坂下の上にある公園に着いた。

  団地の向かいにある小さな公園だが、園内には多くの動物のオブジェが置かれていた。園内右手にはサッカーボールを持ったリスや、向かい合った親子のパンダがおり、左手には2頭の象がいる。1頭はメガネに蝶ネクタイ姿、もう1頭は頭に花飾りとリボンをしていた。どの動物もなんだかユーモラスな表情をしていて、ちょっと微笑ましい気分になってくる。

  園内入口にはユズリハの木が伸びていて、その先にはケヤキの木が伸びている。ケヤキの近くには円形の砂場があり、ピンク色の壁面にはイカやタコ、カニやウミガメなど、海の生物たちが壁面全体に立体的に描かれていた。木陰のベンチで一息ついていると、初夏の心地いい風が吹いてくる。小規模な公園だが、遊び心溢れる造りもあってか、不思議と居心地のいい公園だった。

  動物たちのいる公園を出て、線路沿いを南に向かうと、急カーブを描いた坂道があった。この辺りは見晴らしもよく、残堀川を渡る中央線の姿も間近で見られるが、このカーブは強烈に曲がっており、通り過ぎる車も恐る恐る徐行しているといった感じだ。このカーブの先に出ると、右手の高い崖の上に住宅が建っており、立川崖線の急激な高低差がよく分かる。なお、この坂道が「馬場坂」なのだそうだ。

  馬場坂を下りた先には、団地から崖下に下りる長い階段が伸びており、目の前を流れる残堀川には「馬場坂下橋」が架かっていた。残堀川の川岸は遊歩道になっており、この日はジョギングやサイクリングを楽しむ人たちの姿があった。この馬場坂下橋のすぐ下流側では中央線が残堀川を渡っている。この中央線の橋梁は、遊歩道のすぐ上に架かっており、橋梁の下から線路を見上げるとちょっと怖いくらいだ。

  中央線の橋梁をくぐり、下流に向かっていくと両岸から桜の木が枝垂れていた。この辺りは桜の名所としても知られている一帯だ。さらに遊歩道を進んでいくと、根川緑道西側の入口に着いた。豊かな自然が保全された緑道の中では、鴨やサギが羽を休めていた。

(2019年6月掲載) 

 


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