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同児童遊園は住宅街の中にある
南武線の西国立駅を降り、西友の前に伸びる羽衣いちょう通りへ出る。この通りには、緑地に白抜きで「はごろも」と書かれたレトロな街路灯が建っている。いちょう通りを渡り、しばらく進んでいくと、住宅街の中にある羽衣二公園が見えてきた。
小さな扇形の公園の中には、右側に鉄棒があり、正面奥には黄色いイチョウの葉を折ったような形をした庇と小さなイスが置かれている。また、その手前には、あぐらをかいたパンダの口から蛇口が飛び出している面白い水道があった。
上部に向かって広がっていくイチョウの葉のような庇は、あまり目にしたことのない形の庇であり、これがこの公園のシンボルマークなのだろう。強い印象を残すこの黄色い庇だが、上部をよく見ると、なにやら植物がたくましく生えていた。園内にはベンチが置かれており、その周りにはよく手入れのされた木々が植えられている。その中には、鮮やかな花を咲かせたサザンカがあった。
「羽衣二公園」とはいうものの、園内には「羽衣二児童遊園」という看板が建っていたので、一応児童向けの公園という位置づけなのかもしれない。だが小さい公園であるため、児童向けのものといえば、鉄棒とパンダの水道くらいだろうか。住宅地の一角にひっそりとあるこの公園は、近隣の人々の休憩所のような場所なのだろう。
そんなことを考えていると、学校帰りの子どもたちがやってきた。こどもたちはひとしきり駆け回ると、次の遊び場へと声を上げながら走り去っていった。すると今度は、近所の猫が散歩にやってきた。少し近づいてみようと思ったが、猫は園内をぶらりと散策すると、いつの間にかどこかへ消えてしまった。
この辺りの道は結構入り組んでおり、路地も迷路のように伸びている。この公園の外周部もアーチを描くような曲線になっていて、その外周部の前の道は不自然に広く取られていた。また、多くの道がこの外周部に繋がっており、入り組んだ近隣を散策してみるのも面白いかもしれない。
夕暮れになると、駅から家路を急ぐ人たちがやってきた。駅への道は、結構通勤などで利用されている道なのだろう。その人たちとすれ違いながら西国立駅へ戻り、整備された駅前の広場で一息ついた。
(2018年2月掲載) 地図
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