小さな散歩道

矢川弁財天 (立川市羽衣町3丁目)

矢川弁財天入口 みのわ通りから写す


三龍殿
池には鯉がいっぱい
矢川緑地

 南武線の西国立駅を降り、踏切を渡って「みのわ通り」に出る。この大通りを南進していくと、右手の崖下に大きな池のある矢川弁財天が見えてくる。通り脇にある階段を下り、境内へ入る。

橋の欄干にもへびの像が

  両脇に赤いのぼりの立ち並ぶ参道を進み、鳥居をくぐると、池に架かる小さな橋がある。この橋の欄干には蛇がニョキッと鎮座している。さらに、橋を渡った先にも「狛犬」ならぬ「狛蛇」が姿を見せてくれた。とぐろを巻いた対の狛蛇はちょっと異様であるが、表情は穏やかで、裏側には「昭和18年5月吉日」と書かれていた。
  蛇型の狛犬はかなり珍しいようだが、弁天は、古代インドにおける川の神だったことから蛇や龍は神の使いとされているようだ。

三龍殿の見事な彫刻

  社殿左手には立派な「三龍殿」というお堂があり、屋根には見事な彫刻が施されている。左右と正面には龍、さらにその上部には鳥の彫刻があり、しばしの間、見入ってしまうほどの出来栄えだ。
 また、石垣に囲まれた「龍神之池」では、たくさんの色とりどりの鯉が泳いでおり、来訪者の目を楽しませてくれる。こじんまりとした弁財天だが、ちょっとした庭園のような趣もあり、古くから地元の人たちに親しまれているようだ。

  「みのわ通り」を渡り、反対側の階段を下りると、緑豊かな矢川緑地だ。西側の入口からウッドデッキを進んでいくと、北側には昔ながらの雑木林が広がっている。ここは都の緑地保全地域に指定されており、約2.1ヘクタールの敷地内には「都の名湧水57選」のひとつである矢川が流れ、多くの動植物が生息している。矢川弁財天の帰りにちょっと足を伸ばしてみてはいかが。

(2015年4月掲載)  地図


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