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国立駅北口から「弁天通り折返場」、「戸倉循環(稲荷神社経由)」行きのバスに乗り「鉄道総研」で下車。歩いても10分ほどの距離だ。この鉄道総研(鉄道総合技術研究所)向かいの「ひかりプラザ」敷地内には、一両の昔懐かしい新幹線が鎮座している。
この新幹線は1969年(昭和44年)に製造されたもので、1972年(昭和47年)に開通前の山陽新幹線、西明石―姫路間で当時の鉄道最高速度、時速286キロを出した試験用の車両だ。その後1991年(平成3年)に鉄道総研から譲渡された国分寺市が、由緒ある車両を新幹線資料館として改修し、一般に公開した。
試験用の車両といっても、外観は普通の新幹線と変わらない。住宅地に突如として現れる新幹線は、一種異様な存在感を放っている。
車内に入ってみると、新幹線発展の歴史を物語るパネルや模型、時速286キロ達成のプレートなどが展示してある。2人掛けのシートも並んでいる。中でも鉄道模型ジオラマに新幹線の設備検査車両ドクターイエローがあり、実際に走らせることができて、子どもたちに大人気の様子だった。
運転席も開放されていて、開発当時のままの運転席に座ってみた。思ったよりも視界は狭く、立つと頭がぶつかるほどのスペースに計器類が並んでおり「ここで運転していたんだな……」と感慨深い気持ちになった。
国分寺市の公民館「ひかりプラザ」内には鉄道展示室があり、こちらでは鉄道の発展の歴史と、総研内でも実験が行われていたリニアモーターカーに関するパネルなどを展示している。
展示室中央にはトンネルや橋などがある本格的な鉄道模型が設置してあり、ここも子どもたちの人気を集めていた。
かつて国立駅からは鉄道総研に引き込み線が伸びており、この線路から総研に車両を搬入していた。現在では線路は撤去されてしまい、跡地に立ち入ることはできないが、線路を跨いでいたマンションの階段など、所々にその痕跡を見ることができる。
■新幹線資料館 (国分寺市光町1-46-8・ひかりプラザ内)
開館時間/10:00〜16:30
休館日/毎月第2・4月曜日(祝日にあたる場合はその翌日)
■鉄道展示室
開館時間/9:00〜17:00
休館日/毎月第2・4月曜日(祝日に当たる場合はその翌日)
(2014年8月掲載) 地図
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