小さな散歩道

家具の博物館 (昭島市中神町)

車箪笥
戦後に流行ったベッド

イギリスのカボッドセッル

 家具を実物保存し、展示している国内で珍しい施設を訪問した。
 青梅線中神駅北口徒歩5分。フランスベッド東京工場の敷地内にある。広さ約260u。収蔵品1700点の中から約180点を展示。同家具の博物館は、フランスベッドの創業者・池田実氏が、消えていく家具を後世に伝えようと昭和47年11月に「家具保存協会・家具の歴史館」として中央区に開設。昭和54年財団化に伴ない「家具の博物館」と改称し、家具の伝統−継承−創造をテーマに活動を続け、7年前に昭島市に移転した。
手元箪笥 主な収蔵品は、衣装箪笥(たんす)、車箪笥、階段箪笥、帳箪笥など江戸から明治期にかけて花開いた箪笥類。それぞれの箪笥に施された文様から、一族の繁栄、富貴、長寿などの祈りを込めて作られたことが分かる。
 イギリスなどヨーロッパの農家で16世紀以降に使われたチェスト、テーブル、椅子なども展示。中には3本足のテーブルや椅子が目を引いた。何のためかと思ったら、デコボコの床でも使えるようにという工夫だと知ってその知恵に感服した。絵本「ピーターラビット」や小説「若草物語」に出てくるウインザーチェアも数種類展示されている。
  体験コーナーも興味深い。「この木なんの木」コーナーでは、木材サンプルを手に持ち、木の肌触り、重量感、色合い、木目の特徴、木の香りなどを確かめられる。「組み合わせてみよう」コーナーでは組接ぎの見本を手にとって、組み合わせを試すことができる。また木の名の漢字112字をパネルにしてあるので、何字読めるかトライするのも面白い。

菊地コレクションのミニチュアの椅子■菊地敏之ミニチュア家具作品展
開催/11月27日まで
概要/現在90歳の菊地氏が、製作した作品を同博物館に寄贈し続けて四半世紀になる。それを記念しての作品展。欧米各国のクラシックチェアを中心に縮尺1/5で忠実に再現。

家具の博物館 (昭島市中神町1148)
開館時間/10:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日/水曜日
入館料/ 一般200円、高校生以下無料
問合せ/TEL 042-500-0636

(2011年10月掲載)  地図


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