小さな散歩道

拝島大師(昭島市拝島町1丁目)

南大門  全国一早いだるま市が立つことで知られる拝島大師に行った。
 青梅線昭島駅から徒歩20分(立川駅からバス、拝島前下車)。奥多摩街道沿いに脚の長い拝島大師の南大門が見えてくる。 その門をくぐり奥に建つのが、比叡山延暦寺の山門を模したという文殊楼だ。 門をくぐり、左に八角円堂と大師の池、小高い崖上に建つのは多宝塔だ。正面の元三大師堂に手を合わせて一礼する。
ちぶさの鐘大師の池から多宝塔を見る  だるまは南インド出身の菩提達磨(だるま)の面壁9年の座禅姿に似せた張子の玩具で大師が緋の衣を着ていたところから赤く塗っているそうだ。 底を重くして倒してもすぐ立つようになっているから「七転び八起き」ともいわれ、開運の福だるま、縁起物として人々に愛されてきた。
だるま市には600軒の屋台が並ぶ  明治末、日本の生糸の輸出が増大、農村の養蚕が盛んになった。蚕の病気防止と生糸の増産を願って農家の副業として始まったのが関東のだるま。 拝島大師のだるま市は人手の多い年頭の縁日に出たのが始まりだそうだ。 「だるまの起き上がりと繭の仕上がりの良さを重ね合わせたのでしょう」と地域の古老の話だった。 拝島大師は正月三が日の人では20万人。屋台は600軒。そのうちだるま商は100軒と多い。 だるまの表情は店によって微妙に違うので、回って見比べるのも楽しい。

(2010年12月掲載)  地図


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