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南武線矢川駅、西国立駅から徒歩10分。東京都の緑地保全地域に指定されていて、矢川とその隣接する区域で、国立市との市境にある。広さは約21,000平方メートル。立川段丘の湧水(ゆうすい)を水源とする矢川は立川市の東南部から国立市の西南部を流下して、甲州街道を渡り青柳段丘崖先で府中用水と合流する。周辺には湧水があちらこちらに矢川に流れ込み、勢いのある清流となっている。矢川という名前は流れが矢のように速いから名付けられたとも言われている。その矢川が緑地内を流れ、上流部南は湿地帯、下流部北は樹林地に分かれている。
国立側の入口から入る。樹林地に入るとシラカシ、ケヤキ、コナラの緑陰が涼しさを誘う。ヤナギの大木の下を矢川が流れカモが遊ぶ。川底には貴重な水生植物ミクリが美しい緑を見せていた。
上流部の南は一面湿地帯でガマ、ヨシなどがうっそうと茂っている。3月に来た時は、湿地帯に草はなく広い沼地だった。現在は茂る草をかき分ける感じで木道が走っている。湧水が湧き出る矢川の岸辺にはオモダカ、セキショウ、オランダガラシ、セリ、ミゾソバなどが見られる。
シオカラトンボを撮ろうと炎天下でカメラを構えてじっと待つ青年、腰を下ろし雑木林の下で歌の練習に励む女性、犬を連れて散歩をするおじさん。みなさん「自然が残っていている貴重な場所。大事にしたい」という。
入ってきた国立方面の入口に戻り、矢川に沿って歩くとすぐ「矢川いこいの広場」がある。子どもたちが水遊びをしている姿はほほえましい。流れは国立六小の学校の敷地内を通って、甲州街道を渡り、青柳崖下の「おんだし」で府中用水と合流する。帰りは矢川駅まで歩いた。
■問い合わせ/ 立川市役所・公園緑地課 TEL:042-523-2111
(2010年8月掲載) 地図
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