小さな散歩道

普明寺 (昭島市拝島町1丁目)

普明寺 樹齢100年以上の大王松境内の池には檀家さんからの寄進による模型のタンチョウツルが2羽 立川駅北口から拝島行きバスで拝島大師前下車。青梅線昭島駅、拝島駅から歩くと30分かかる。普明寺は戦国時代に滝山城主・北条氏照の家臣石川土佐守が、大日八坊の一つとして創建した寺。大日八坊とは大日堂の八つの子院で、一山八ヶ寺ともいう。現在は八寺の内この普明寺と本覚院(拝島大師)、円福寺の三寺のみが残されている。 
 奥多摩街道に面している山門の脇に「どんな黒雲の上にも青空と太陽はある。くじけずに胸を張って」と墨で書いた言葉が張ってあった。普明寺の勝野隆昭名誉住職の書だ。
大王松の大きなまつぼっくり(縦17cm) 手入れの行き届いた境内の正面に普明寺の本堂がある。その前に樹高の高い、樹齢100年位というダイオウショウ(大王松)という松の木が天に向かって伸びていた。この松は大きなマツボックリをつけることで知られる。
昭島市指定有形民俗文化財「山王祭礼図絵」(普明寺所蔵) 寺には昭島市指定有形民俗文化財「山王祭礼図絵」がある。1767年、当時の住職順栄が山王祭礼行列を後世に伝えるために作ったもので、幅27.7cm、全長834.7cmにおよぶ絵巻物だ。同祭礼は日吉神社の祭礼として毎年9月に行われている。
 勝野名誉住職は、寺は地域コミュニティの中心であり開かれた寺でなければいけないと主張され、本堂でコンサートを企画したり、絵手紙の教室を開いている。近隣の小学生の総合的学習の受け入れもしていて、村や寺の歴史を話し、座禅を教えている。「座禅が一番印象に残るようですね。隣りの日吉神社、大日堂、仁王門の金剛力士像と都の需要文化財がそろっています。お寺には気がありますので、散歩をするだけでも、心がすがすがしくなりますよ」と同ご住職は言う。

蘇りつつある樹齢800年の千歳のフジ日吉神社

(左)日吉神社
(右) 蘇りつつある樹齢800年の「千歳のフジ」(大日堂境内・都天然記念物)と (中)今年5月の満開時

■問合せ/普明寺 TEL 042-541-1009

(2010年6月掲載)  地図


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