小さな散歩道

立川公園「根川緑道」(東京都立川市柴崎町4丁目〜錦町6丁目)

桜並木の下で鳥達も一休み 水辺は子ども達の絶好の遊び場だ

カワセミ(湧水口近くで)  立川市南部を横切る根川緑道はサクラ(250本)の花見シーズンは人気スポットとして知られる。涼を求めて川べりを歩いてみた。

 多摩都市モノレールの柴崎体育館駅下車。すぐ近くの柴崎橋脇のスロープを下りると、そこは木々に囲まれ整備された根川緑地だ。川のほとりはひんやりとして、さわやかな空気が流れる。
  涼しい川に沿って西に歩き、根川緑道のスタート地点へ。積み上げた大きな石の真ん中から水がこんこんと湧き出ている。この水は錦町ある下水処理場で高度処理された水という。一日約2,700立法メートルを緑道に送っている。
  取材に行った日、この湧水口の周辺に三脚を立てて、カメラを構え、何かを狙っている人達が数人いた。バシャ、バシャとシャッター音が一斉にした。コバルトブルーの羽を持つカワセミが水面に急降下して小魚をゲットしたところだった。

  この緑道の全長は約1,300メートル。平成4(1992)年から4年間かけて、小川のほとりを遊歩道に改修、全体を4つのテーマに分けて景観づくりがされた。
  この最上部はAゾーンと呼び「生物とのふれあい」がテーマだ。小川には大きなコイを始め小魚が泳いでいる。毎年初夏に子どもを連れて泳ぐカルガモの親子は近隣市民の人気者だ。

  柴崎橋をくぐり東へ。根川緑道の中央部、柴崎市民体育館前を中心とするBゾーンだ。テーマは「水辺のプロムナード」。親水階段のある池、小川に張り出したあずまや、広場が続く。

霧の広場  新奥多摩街道をくぐると「水とのレクリエーション」がテーマのCゾーンだ。4本の柱のモニュメントが立つ「霧の広場」では午前9時から午後4時まで滝(25分間)と霧(15分)が交互に5分の間隔をあけて噴き出す。真夏には子ども達が水着姿で遊ぶ姿を見かける。水生植物の観察や鑑賞ができる大池、大池の北側は立川崖線でここから流れる湧水と柴崎用水の水とが合流して川幅は広くなっている。土手は芝生で覆われて優しく、シートを敷いて花見をするには最適の場所で、季節には最も混み合う所だ。

貝殻坂橋 日野橋の北側、大通りのガードをくぐる。ここから東は「散策と田園風景の維持」がテーマのDゾーン。川べりが広く緑に覆われていて、かつての自然な根川の景観を留めている。立川市営球場や陸上競技場の横を通り過ぎると、根川貝殻坂橋という木製のチョット風情のある小橋がある。近くに貝殻が多く出土したところから貝殻坂と呼ばれる坂があるところから橋の名前が付けられたようだ。

  ★Dゾーンで通り過ぎてきた立川市営球場は高校野球・西東京大会の球場でもある。今年も7月12日から立川市営球場を含めた多摩地域の野球場で熱戦の火ぶたが切られる。応援の帰りに根川緑道で涼むのもいいですね。

■問い合わせ/立川市公園緑地課 TEL:042-523-2111

(09年7月掲載)  地図


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