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立川南通り(江戸街道)の「都立短大」交差点から郷地町方面へ歩き、奥多摩街道との交差点でやや細めの道を南に入ると、右手に神社がある。その向こうに、御影石製の大きな門柱が見えて来た。
右の門柱の手前に「天台宗 宝積寺」と彫った石柱、左の門柱の向こうには参道に大きくせり出した松の大木が立っている。民家の2階屋根を越す高さ。その松の枝越しに見えるのが本堂だ。黒い瓦ぶきの屋根は上に行くほど狭まっており、てっぺんには一対の鴟尾(しび)が据えられているのが珍しい。木製のぬれ縁があるのも、なかなか古風だ。屋根から下がる、といの先の「おけ」は、鋳物か陶器のように重厚感にあふれている。正面の曇りガラスの戸がちょっと開いていたので、のぞくと奥にご本尊らしい仏像が垣間見えた。
本堂の左手に、どっしりした感じのお堂が構えていた。てっぺんには宝珠、屋根は銅板ぶきらしく、本堂とは対照的で面白いコントラストだ。お堂の右手前に高さ3メートルはあろうかと思われる、大きな白い石灯ろうが立っていた。六角形をした部分には、鹿などさまざまな彫刻が施してある。
帰り際、門を出て振り返ると、ガラス張りの立て札があり、中に「年中行事」と書かれた張り紙があった。1月から12月まで、毎月欠かさずある行事に、改めてお寺と地域のつながりの深さが、印象に残った。
(08年3月掲載) 地図
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