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多摩都市モノレール高松駅を出て、歩道を北へ歩き、工場の角を右に曲がって住宅街を約7分、 「熊野神社」と書かれた表通りの交差点に出た。そこを右に曲がると神社の入り口だ。石の鳥居の奥に、 もう一つ石の鳥居があって、さらにその奥に本殿が構えている。
入り口の鳥居を入ると、左側に小川が流れていた。澄んだ水の中に水草が青々と生えている。 その小川のほとりに小さな石碑が立っており、「御大典記念 せゝらぎ 熊野川」と彫られていた。 碑の裏に「皇紀二千六百五十年(1990年)」とあるから、天皇即位を記念して、建設されたせせらぎなのだろうか。 「熊野川」というネーミングが、親しみやすく、いかにも自然と環境を大事にしようという意気込みが感じられるようだった。
その「熊野川」に沿ってさかのぼる。長さは数十メートルに過ぎないが、岸辺には大小様々の岩が敷き詰められて、 深山幽谷の渓流を思わせる。岩にはコケも生えている。そのほとりに、今度は見上げるような大きな碑が立っていた。 達筆な字で彫られた碑文は、かろうじて「咲きにほふ 花の……」と、読み人の「雍仁親王妃」しか読めなかった。残念。
せせらぎを上り詰めた源流は、これも池だった。パイプから水が吹き出ている。その池の隣に広場があった。 広場の真ん中に、土俵が築かれており、その上にヤグラが組んであった。 ひょっとして奉納相撲でも開かれるのかな、と思うと楽しくなった。
(2007年3月号掲載)) 地図
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