小さな散歩道

五日市鉄道大神駅跡 (昭島市大神1丁目)

 

 青梅線昭島駅の南口から昭和通りを歩いて約20分、八高線の踏切を渡って間もなく、道端に列車の車輪のようなものが見えてきた。近づいてみると、車輪は長さ5メートルほどのレールの上に乗っている。その向こうには、高さ50センチ足らずのプラットホームがある。その上に立つのは「大神駅」と書かれた白い木製の駅名表示板。小さな公園のようだ。
  そばの説明板によると、現在のJR五日市線の前身である五日市鉄道は、大正14(1925)年4月に拝島―武蔵五日市駅間が開通し、昭和5(1930)年には、立川―拝島駅間が開通した。この時この場所に誕生したのが、大神駅という小さな無人駅。その後五日市鉄道は合併され昭和19(1944)年に休止路線となり、そのまま廃止されたという。
  今ある駅名表示板やホームは、いわば復元版のようだ。表示板の駅名も右から左に書く当時の方式のまま。表示板自体も、今のプラスチック製や金属製と違ってレトロな感じ。後方のモダンな民家がなければ、ひっそりしたローカル線の駅って気分だ。「7番線」と書かれた信号機や、踏切の警報機、遮断機まであって、鉄道ファンにも受けるかもしれない。
  ホームの下にも案内板があった。そこには、「ポケットパークのモニュメントに使用した鉄道資材は青梅線(昭島駅・奥多摩駅)で使用したもの」と記されていた。実際の鉄道に使われていた物、という重みを感じさせた。

(2006年6月号掲載)  地図


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