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住宅街を背にした埴輪公園
日野駅から「宇津木台」行きバスに乗って、「栄町5丁目」で下車。バス停先の交差点を左折し、「東光寺大坂」と呼ばれる坂を上っていく。長い坂を上りきると、広々とした七ツ塚公園が見えてきた。
七ツ塚公園手前の道を右に曲がり進んでいくと、坂道の途中にある埴輪公園に着いた。
公園入口の案内板によると、日野台地の北縁であるこの辺りには七ツ塚古墳群を中心に各時代の遺跡が広がっており、明治初年には髷(まげ)を結った女性の埴輪や、兜(かぶと)をかぶった武人の埴輪が発掘されたという。 現在、これらの埴輪は記録の上でしか見ることができないそうだが、この地の歴史にちなんだユニークな名前の公園だ。
この公園は傾斜地を利用して造られており、斜面には派手なピンク色の滑り台が設置されていた。公園の下段から階段を上っていくと、丘の上には藤棚とブルーのクジラの乗り物(遊具)があった。
この公園自体が高台にあるため、丘の上からの見晴らしは大変よく、展望広場のように視界が開けて気持ちがいい。正面には農地があり、その先の崖下には谷地川が流れている。天候がよければ、遠くの山々まで見渡せそうだ。
足下に広がる芝生の感触が心地よく、休日の午後には子どもたちが段ボールすべりに興じる姿が見えるという。見晴らしもいいから爽快だろう。
丘の下に下りると、ベンチでは近所の子どもたちが集まり、なにやら楽しそうに談笑していた。公園前の道はこの地区のウォーキングコースになっているようで、散歩に訪れる高齢者の姿も多く見受けられた。
小さな公園だが、園内の植栽もよく手入れがされていた。公園を遠めに見ると、こんもりとした丘の斜面に丸く刈られた植栽が張り付いているようにも見える。
一風変わった公園であるが、眺めのいい高台にあり、散歩中に一息つくにはいいスポットだ。
公園周辺には真新しい住宅なども建っているが、辺りを散策してみると、農地やブルーベリー園が広がるのどかな風景が残っていた。
なお、七ツ塚公園の一角には、日野農業の発信拠点である「七ツ塚ファーマーズセンター」がある。こちらでは日野産を中心とした農産物などを扱っている。
(2020年2月掲載) 地図
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