しごと日記Q&A編
「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香久山」
新古今和歌集に収められた持統天皇の歌です。百人一首でもおなじみですが、
「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香久山」
という元の歌は万葉集に収録されています。
春過ぎて、とはちょうど今頃の時期でしょうか。5月5日は立夏です。梅雨入りまでは、好天に恵まれた過ごしやすい日が続きます。
この春に入社した新入社員や新聞奨学生たちも、新しい生活にずいぶん馴染んできた様子です。仕事でも、配達を一通り覚え、先月末には初めて集金業務にも挑戦しました。
以前も紹介したことがありますが、ASAの社員スタッフには、配達や集金以外にも様々な業務があります。朝刊配達終了後の電話応対業務もその一つで、ASAにかかってくる電話は、朝6時から9時までの3時間、当番のスタッフが対応しています。
もちろん、新入社員が電話当番に入る場合は指導係の先輩スタッフも付き添いますが、新人君にとっては初めての電話当番。ロボットのような、ぎこちない丁寧語で受け答えしています。朝早い時間帯は、配達ミスのご指摘の電話をいただくこともあります。新人君も、お詫びの言葉を述べてすぐに新聞を届けに向かいます。入社してまだ日の浅い新人君にとって、自分の受け持ち以外のエリアに行くのもちょっとした冒険。
出発前に住宅地図で「〇〇の交差点を左折して右手△件目のお宅の〜」と頭に叩き込んでから向かいますが、お届け後に帰り道に迷うのはよくあること。ヘンゼルとグレーテルのように、わざとパンくずを落としながら進むわけにもいきません。「帰り道は行きとは風景が違って見えるから気をつけろよ」と心配する先輩スタッフに、「スマホのナビ機能があるから大丈夫です」と平気な顔の新人君。
今時です。
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