続・しごと日記 〜新人君は見た!〜

[6] 夏休み (2006年9月号)

 9月です。読者の皆様、今年の夏休みはいかがでしたか?
 夏は実家への帰省や海外旅行など、人の行き来が活発になる季節でもあります。実際、この時期、新聞販売店にも多くのお客様からお出かけによる配達のお休みのご連絡をいただきます。
 8月の1ヶ月間に新聞をお休みされるお宅は、およそ300軒。配達件数の実に15軒に1軒がお留守になる計算です。特に学生さん向けのアパートや社宅などは、居住者の方の夏休みが一斉に始まるので、中旬のお盆の頃には、「もぬけの殻」のような状態になってしまうのです。
 配達の数が減って体力的には楽になったような気がしますが、代わりに一軒一軒のお休みの期間やお戻りの時期を把握するのが結構大変で、気の抜けない時期でもあります。
  真夏の強い日差しの下での配達は、新人君たちの体力をジリジリと奪っていきます。
多くのサービス業といわれる仕事がそうであるように、新聞販売店にも「夏季休業」というものはありません。休刊日以外は、新聞の配達があり、従業員にも一斉の「夏休み」はありません。月6日の休暇や有給休暇をうまく組み合わせて交代で休んでいます。
 今回、我らが新人君も入社以来初の3連休をもらいました。
 それでは今回も、初めての3連休で休みの過ごし方に戸惑っている新人君の日記をのぞいてみましょう。

○月△日(連休最終日)

 初めての3連休。
 最初、まとまった休みがもらえたときは嬉しかったけど、連休も3日目に入ると、やることがなくなってきた。九州の実家に帰省することも考えたけど、3日間じゃ短すぎるし、1人で旅行に行くにも、どこも混んでいそうで、結局3日間をこのアパートで過ごすことに決めた。
 連休初日は、部屋の大掃除をした。
 2日目の昨日は、休みが重なった同僚と買い物に出かけた。
 3日目の今日は、朝から高校野球を見ている。
 せっかくの3連休なのに、いつもの休みとそんなに変わらないような……。
 この3日間、僕の代わりに先輩が配達をしてくれている。配達のお休みや、お戻りの予定が結構入っていたけど、先輩間違えずに配達できているかな? 先輩は「休みの間は仕事のことなんか考えずにゆっくりして来い」なんて言ってくれたけど、やっぱりちょっと心配になる。3日間も配達をしないと、なんだか体もなまってきたような気がする。
  明日からまた仕事だ。バッチリ体も休めたし、今日は早く寝て明日の配達に備えよう。

 ……こうして新人君の初めての「夏休み」が終わりました。
 8月が終わると秋の気配も漂ってきます。新人君も入社して半年。職場では、だんだんと新人扱いしてくれる先輩も少なくなってきて、一人前扱いされ始めます。
 来月の新人君、そんな中でどんな成長を見せてくれるのでしょうか?

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