しごと日記Q&A編
以前、配達で使う「順路帳」にいろんな注意事項が書いてあることを読みました。何か変わった注意書きやエピソードがあれば教えて下さい。
(2010年12月号掲載)
以前のこのコーナーで、新聞配達の「虎の巻」である「順路帳」には、読者名・新聞名・順路記号・ポストの種類や場所などが書かれていて、それらを読み解きながら配達していることを紹介しました。普通はこれ以外のことは順路帳には書かれていないのですが、たまに「犬に注意」 と余白に書いてあったりします。
犬の苦手な新人M君がY先輩に付いて配達を覚えているとき、順路帳に「ドアP・犬注意」と書いてある庭の大きな家がありました。
先輩に「このお宅は外のポストではなく、門を開けて庭を通り抜けて玄関のドアポストに入れる。たまに庭に犬がいるから注意する」と言われたM君は、恐る恐る玄関まで行き、新聞を入れると早足で門のほうに戻り「よかったー、今日は犬が出てこなかった」と思って門を閉めようとしたとき、「ワン!!」ときました。びっくりして庭石ですべって転びそうになったM君に、「いつもと違う人があまりにも早足で戻ってくるから犬もびっくりしたんだ。お前を一人前だと認めてくれたらほえられなくなるよ」と笑いながらY先輩はいいました。
午前4時、「犬に注意」を、身をもって覚えた新人君でした。
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